セールのチラシを一枚こしらえるのに、午後がまるごと消えたことはないでしょうか。商品を白い背景で撮り直し、文字を置き、色味を直す。外注に出せば数日は返ってこない。社内でやれば、担当の手がその間ずっと止まる。画像づくりは、小さな会社ほど「誰かの半日」を静かに食う仕事です。
9月8日、OpenAIがChatGPTの画像機能を新しくしたと発表しました。名前はChatGPT Images 2.5。細部がくっきりし、生成にかかる待ち時間はImages 2.0と比べて最大で半分になったといいます。無料プランを含む全プラン(ChatGPT、ChatGPT Work、Codex)で、パソコン・スマホ・ブラウザから使えるようになっています。
ChatGPTの画像づくりとAPIのGPT-Imageモデルを合わせて、毎週30億枚を超える画像が作られているといいます。今回目を引くのは、その絵のうまさより「始めやすさ」と「直しやすさ」のほうです。チラシや商品写真といったよく使う型(テンプレート)が用意され、白紙からでなく型を選んで埋める形で始められる。手描きの下絵をそのまま渡して画像に起こすSketchという機能も入りました。さらに、できた画像に直接コメントを置いて「ここだけ」を直せる。使ったプロンプト(AIへの頼み文)を、他の人が自分の写真で試せるよう添えて渡すこともできます。
で、あなたの会社は何をすればいいか
RASHINの見立てでは、今回の変化で効いてくるのは「一部だけ直せる」ところです。これまでの画像づくりは、少し手を入れるたびに全体が別物になり、気づけば最初の商品が消えていた。Images 2.5は、頼んだ場所だけを直し、残りはそのままに保つのが前より得意になったとされています。商品はそのまま、背景だけ白のスタジオ調に。文字はそのまま、色だけ落ち着いた青に。こうした細かい直しが、会話を続けながら通るようになりました。
ここから一段だけ実務に引きつけると、これまで外注か手作業だった「たたき台づくり」を、社内で回せる範囲が少し広がる、と考えられます。清書や本番の仕上げまでAIに任せる話ではありません。あくまで、打ち合わせに出す最初の一枚、方向を決めるための下ごしらえ。そこが速く、安く、担当の手を止めずに済むようになる、という読み方です。
試してみるなら
まずは型から始めるのが早いです。ChatGPTの画像作成で「Poster(ポスター)」の型を選び、伝えたい情報・使いたい色・雰囲気を書き添えてみてください。たとえば「秋の新商品フェア、10月開催、落ち着いた暖色、和菓子店向け」のように、材料だけ渡す形で十分です。
手元に手描きのラフがあるなら、ChatGPTで「@Sketch」と打つと、下絵を渡して画像に起こせます。プロの絵心はいりません。棚の配置やレイアウトの当たりを、そのまま形にしてもらう使い方です。
一部だけ直したいときは、できあがった画像に続けて「背景だけ白のスタジオ調にして、商品はそのままにしてください」と入力してみてください。全体を作り直さず、指した場所だけが変わります。
つまずきの先回り
最初に線を引いておきたいのは、これは本番の商品写真の代わりではない、という点です。参照した写真の特徴は「残りやすい」とされていますが、同じものが出る保証ではありません。実物とは細部が違うので、たたき台や社内資料まで。値札や仕様が絡む本番の一枚は、撮影か実物を使ってください。
もう一つ、生成した画像にはC2PAという来歴情報と、目に見えない透かしが入ります。AIで作ったと後から分かる印が残る、ということです。取引先に渡す資料でそこが問題になりそうなら、事前に用途を確かめておくと安心です。
なお、開発者向けにはAPIでGPT-Image-2.5 FlareとSunburstという別モデルも出ていますが、これは料金も窓口も別の話です。自社のシステムに画像づくりを組み込みたい段階になって初めて出てくる選択肢で、まずはChatGPTの画面の中だけで十分です。
明日、一枚だけ試すなら。いつも外注しているチラシの、今回のぶんの「たたき台」だけを型から起こしてみる。それで会議に一枚持ち込めれば、今日のところは上出来です。