「何ができますか」が行き止まりになる理由
「AIで何ができますか」と調べると、できることの一覧が返ってきます。文章が書けます、要約ができます、画像が作れます。読んで、なるほどと思って、それで終わる。自分の仕事のどこに当てはまるかが分からないからです。道具の性能表をいくら眺めても、使い道は書いてありません。使い道は、あなたの一日の中にしかないのです。
先にやること。一日の時間の棚卸し
やることは単純です。紙でもスマホのメモでもいいので、きのう一日、自分が何に時間を使ったかを書き出します。正確でなくて構いません。メールの返信、見積書、電話、移動、打ち合わせ、日報。思い出せる粒度で十分です。
書き出したら、毎日または毎週くり返しているものに丸をつけてください。
丸がついたものが、AIに任せる候補リスト
丸のついた項目、つまりくり返しの作業こそが、AIの効く場所です。一回きりの仕事を効率化しても得は一回分ですが、毎日の作業が軽くなると、得は毎日積み上がります。
この丸つきリストを持ってからAIのできること一覧を見ると、景色が変わります。「文章が書けます」が、「うちの見積書の下書きに使える」という自分の言葉に翻訳できるようになるからです。
棚卸しは、一人でやっても、朝礼で全員でやっても構いません。事務の人と現場の人では、丸のつく場所がまるで違うはずです。その違いが見えると、AIを最初に手渡すべき相手も見えてきます。
これは何を意味しないか
丸がつかなかった仕事に価値がない、という意味ではありません。判断や人付き合いのような、くり返しでない仕事はむしろ本業の核心です。AIでくり返しを軽くする目的は、その核心に使える時間を増やすことにあります。
明日できる小ささ
今日の帰り際に、五分だけ。今日やったことを箇条書きにして、くり返しのものに丸をつけてください。それが、あなたの会社のAI導入計画の一枚目になります。