夕方、いちばん集中力がない時間に回ってくる仕事の代表が、見積書です。日中は現場や打ち合わせで手一杯。机に戻ってから白紙のひな形を開いて、前回どう書いたかを思い出すところから始める。あの「思い出す時間」、実は書く時間より長いことが多い。

見積のつらさは、考える部分と写す部分が混ざっていることです。単価を決めるのは、考える仕事。項目を並べて但し書きを整えるのは、写す仕事。AIに渡せるのは後ろ半分ですが、時間を食っているのも、たいてい後ろ半分です。

過去の三件を、材料にする

やり方は単純です。過去の見積書を三件ほどと、今回の案件のメモを一緒にAIへ渡して、こう頼みます。「この書き方に合わせて、今回の分の下書きを作ってください」。それだけで、項目立てと文面が整った下書きが返ってきます。

AIは相場を知りません。御社の原価も知りません。だから金額をAIに決めさせてはいけません。AIが得意なのは、あなたが過去に書いた見積の構成、言い回し、項目の立て方をそっくり真似ることです。下書きの正体は「過去のあなたの写し」。だから現場に合うし、直す量が少ない。

人の仕事として残すところ

  • 金額。これは経営判断そのものです
  • 今回だけの特殊な条件。AIは現場を見ていません
  • 最後に通して読むこと。数量の桁、宛名、日付

逆に言えば、それ以外の「文章を組み立てる」部分は、もう手で書かなくていい。確認して、直して、出す。それが見積づくりの新しい形です。

紙しか残っていない場合

過去の見積が紙しかない会社も多いはずです。その場合は、写真に撮ってAIに渡せば、そこから文字を読み取って材料にできます。きれいに撮れていなくても、だいたい読めます。

明日できる小ささ

過去の見積書を三件、ひとつのフォルダに集める。今日やるのはそれだけで十分です。道具選びや頼み方の細かい話は、集めた三件を眺めながらで間に合います。白紙とにらめっこする夕方を、そろそろ終わりにしましょう。作業を軽くする入口は、AI導入支援のページにまとめています。