これまでの機能は「決まったことを正確に」
検索は、入れた言葉に合うページを探します。エクセルの関数は、決められた計算を正確に実行します。どちらも、正しい指示を入れると正しい結果が返る道具です。裏を返すと、指示のほうが正確でないと動いてくれません。
生成AIは「曖昧な頼みから、形を作る」
生成AIと呼ばれる新しいAIは、「取引先への値上げのお知らせ、角が立たないように書いて」のような曖昧な頼み方が通じます。人に頼むときの言葉のまま、文章や表の下書きという形あるものを作って返してくる。ここがこれまでとの一番の違いです。
だから、パソコンの操作を覚えるのが苦手だった人ほど、実は相性がいい道具です。必要なのは操作の暗記ではなく、頼みごとを言葉にする力だからです。
たとえば「創立記念のあいさつ文、社長らしい言葉で三案」「お詫びのメール、こちらの落ち度は認めつつ言い訳に聞こえないように」。こうした、正解がひとつに決まらない頼みごとに形を返せるのが、新しさです。
置き換えではなく、追加
ただし、正確さが命の仕事は、これまでの道具のほうが今も得意です。合計金額の計算はエクセルの関数に、決まった書類の検索はいつものフォルダに。生成AIは、その手前の「文章を作る」「考えを整理する」部分を受け持つ、新しい持ち場の道具です。
見分け方はひとつです。答えがひとつに決まる仕事はこれまでの機能、決まらない仕事は生成AI。この線を頭に置くと、道具選びで迷いにくくなります。
これは何を意味しないか
生成AIが来たから今までのパソコンの使い方が古くなる、という意味ではありません。道具箱に新しい一段が増えただけで、既存の段はそのまま使い続けます。
明日できる小ささ
ふだん人に頼むときの言い方のまま、AIにひとつ頼んでみてください。「ちょっと丁寧めに」「短めで」のような曖昧な注文が通じる感覚が、この道具の入口です。うまく通じたら、それがあなたの会社の最初の一歩です。