経営者がAIを入れたいと思っても、現場の社員が乗り気でない。「AIなんて」「うちの仕事には関係ない」。そういう声に阻まれて、話が進まない。これは、よくある詰まりどころです。そして、力ずくで進めると、かえってこじれます。抵抗には、抵抗の理由があるからです。

抵抗の正体を、見る

「AIなんて」の裏には、たいてい別の本音があります。

ひとつ、自分の仕事がなくなるのではないか、という不安。これがいちばん多い。新しい道具で効率化と聞けば、自分が要らなくなると感じる。

ふたつ、新しいことを覚えるのが面倒、という気持ち。今のやり方で困っていないのに、なぜ変えるのか、と。

みっつ、よく分からないものへの警戒。これは自然な反応です。

どれも、頭ごなしに「やれ」と言われて消えるものではありません。

説得より、小さな成功を見せる

抵抗する人を言葉で説得するのは、たいてい徒労に終わります。それより、効くのは小さな成功体験です。乗り気な一人と、いちばん面倒な作業をひとつだけAIで楽にしてみる。その人が「これ、楽になった」と言い出すと、周りの見る目が変わります。

人は、言葉ではなく、隣の人の変化で動きます。一人の「楽になった」が、十の説得より効く。

急がない

社内の空気を変えるのは、時間がかかります。一度断られたからと諦めず、かといって急かさず、少しずつ進める。半年かけて一人ずつ慣れていく、くらいの気長さがちょうどいい。焦って全員に広げようとすると、かえって反発を強めます。ゆっくりのほうが、結局は速い。

仕事を奪う道具ではない、と示す

不安の中心が「仕事を奪われる」なら、そうではないと、態度で示すことが大事です。AIで楽になった時間を、その人がもっと価値のある仕事に使えるようにする。減らすためではなく、楽にするために入れる。それが伝われば、抵抗は和らいでいきます。

明日できる小ささ

全員を説得しようとするのをやめて、いちばん乗り気な一人を見つける。その人と、いちばん面倒な作業をひとつ、AIで楽にしてみる。社内を変えるのは、号令ではなく、最初の一人です。社内の進め方に迷ったら、社外CTO・継続伴走で一緒に考えます。