あの人にしか分からない仕事が、どの会社にもあります。長年やってきたベテランの頭の中にだけ、手順とコツが入っている。普段は問題ないのですが、その人が辞めたり休んだりした瞬間、会社が止まる。引き継ぎ書を作ろうとしても、本人は忙しく、書く時間が取れないまま日が過ぎていく。
マニュアルづくりが進まないのは、書くのが大変だからです。やっている本人にとっては当たり前すぎて、何をどう書けばいいか分からない。文章にする手間も重い。だから後回しになり、気づけば手遅れになります。
喋ってもらって、AIが書く
書く負担をなくす方法があります。ベテランに、作業をやりながら、あるいは思い出しながら喋ってもらう。「まずここを確認して、次にこれをこうして、ここで気をつけるのは」。話し言葉のままでいい。それを録音してAIに渡し、「これを手順書にまとめてください」と頼む。
すると、ぶつ切りの説明が、順を追ったマニュアルになります。本人がやったのは喋っただけ。書く作業は丸ごとAIが引き受ける。これなら、忙しいベテランでも協力してもらえます。
コツと注意点を、忘れず拾う
手順だけのマニュアルは、意外と役に立ちません。大事なのは、ベテランが自然にやっている「コツ」と「ここで失敗しやすい」という注意点です。
- なぜそうするのか、という理由
- やりがちな間違いと、その避け方
- 例外的なときの判断
喋ってもらうときに「失敗したことある?」と聞くと、こういう貴重な情報が出てきます。それも一緒にAIへ渡せば、生きたマニュアルになります。
完璧でなくていい
最初から完璧なマニュアルを目指すと、いつまでも終わりません。まず七割でいいから形にする。使いながら、足りないところを足していけばいい。何もないより、七割のマニュアルがあるほうが、はるかに会社は強くなります。
明日できる小ささ
いちばん心配な「あの人しか分からない仕事」を、ひとつだけ思い浮かべる。その人に十分だけ時間をもらって、作業を喋ってもらう。それをAIに手順書にしてもらう。一つできれば、二つ目からは速くなります。こうした属人化対策は、社外CTO・継続伴走でも一緒に取り組んでいます。