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朝、事務所でこんな場面はないでしょうか。AIを入れてはみた。でも、うまく使えるのはいつも同じ一人だけ。その人が休むと、他の社員は画面の前で手が止まる。「なんて打てばいいか分からない」。結局、頼み方を知っている人に仕事が寄っていく。道具は増えたのに、詰まる場所は変わっていません。

そんな中、OpenAIが8月4日に新しい仕組みを出しました。学校向けの発表で、先生と生徒のための「プラグイン」というものです。中身を読むと、これは頼み方をまとめた箱でした。アプリと、その役割でよく使う手順と、あらかじめ書いておいた指示を、ひとまとめにしてある。使う人は複雑な文章を自分で考えなくても、箱を開けばすぐ始められる(元の発表はこちら)。

で、うちの会社はどうすればいい

今回の箱そのものは学校向けです。ツクバの工務店や事務所にそのまま届くわけではありません。持ち帰れるのは、箱という考え方のほうです。

これまでAIを使うには、一人ひとりが「頼み方」を覚える必要がありました。良い聞き方をした人だけが良い答えをもらえる。だから社内で差がつく。今回の発表は、その頼み方を役割ごとに箱へ入れて配る、という方向を示しています。見積担当の箱、問い合わせ返信の箱、議事録の箱。中に「いつもの手順」と「いつもの指示」が入っていれば、開けた人は誰でも同じ入口に立てます。

たとえば月曜の朝、見積のパートさんが出社して、いつもの箱を開く。中には先週まとめた頼み方が入っている。だから条件を貼るだけで下書きが出る。前の週に頼み方を覚えた人が休んでいても、朝の三十分は止まりません。箱があると、詰まりが人ではなく手順に移ります。

つまり、これからは社員全員をプロンプトの達人に育てなくても回せる形に向かっていくと考えられます。育てるのは一人でいい。その一人が役割の箱を作り、他の人はそれを開けて使う。差がつく場所が「頼み方を知っているか」から「箱があるか」に移る、と読めます。

うれしいのは、この箱は今日から自分で作れることです。OpenAIの新しいプラグインを待つ必要はありません。手元のChatGPTで、役割ごとの入口を一つ用意しておくだけで、同じ効き目の八割は出せます。

試してみるなら

まず一番よく詰まる仕事を一つ選びます。見積メールでも、問い合わせの返信でもかまいません。ChatGPTの左側で「プロジェクト」を新しく作り、その役割の名前を付けます(例: 見積メール担当)。プロジェクトを開くと、指示を保存しておく欄があります。そこへ次のように入れてみてください。

「あなたは当社の見積メール担当です。私が箇条書きで渡す条件から、当社のいつもの文体で見積案内メールの下書きを作ってください。金額は私が後で確認するので、数字の欄は空けたままにしてください。」

こう入れておけば、次からは条件を箇条書きで貼るだけで下書きが出ます。使う社員は毎回長い文章を考えずに済みます。これが手作りの「役割の箱」です。無料の範囲でも、まずは一つ作って一週間使ってみるのがいいでしょう。

つまずきの先回り

一つ目。今回OpenAIが配ったプラグインは、ChatGPT EduやChatGPT for Teachersという学校向けの契約で使うものです。一般の有料プランや無料プランに、同じ箱がそのまま入るわけではありません。だから「あの箱が来るまで待つ」ではなく、上のやり方で自分の箱を作るのが近道です。

二つ目。プロジェクトのように指示を保存しておく機能は、プランによって使える範囲が違います。無料でも試せますが、ファイルの添付や保存の細かいところは有料が前提になる場面があります。うちの環境で保存欄が見当たらなければ、まずは普段の会話の先頭に同じ指示文を貼る形で代用できます。

三つ目。箱を作れば中身まで正しくなる、という誤解です。箱がそろえてくれるのは頼み方だけ。金額や日付、宛名が合っているかは、最後に人が目で見る必要があります。箱は入口を同じにする道具で、確認を省く道具ではありません。

明日できる小ささは、こうです。一番よく「なんて打てばいいか」と聞かれる仕事を一つだけ選び、その頼み方を一文にして保存する。全員を達人にするより、箱を一つ置くほうが、たぶん早く楽になります。

出典(一次情報):New ways to learn and teach with ChatGPT Work and Codex(OpenAI公式)