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月初に、先月の電気代やガソリン代は見るのに、AIと何をどれだけやり取りしたかは、誰も見ていません。気づけば一日中AIと話していた気がする日もあれば、せっかく契約したのにほとんど開かなかった月もある。感覚はあるのに、記録がない。そういう道具でした。

そこに動きがありました。Anthropicの公式発表によると、7月9日(米国時間)から、ClaudeにReflectという機能がベータ版として加わりました。自分がClaudeをどう使ってきたかを振り返るためのダッシュボードです。Free、Pro、Maxの各プランで、記憶(Memory)をオンにしているユーザーが使えます。

何が見えるようになるのか

Reflectを開くと、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月のいずれかの範囲で、自分の利用の姿が整理されて出てきます。よく扱っている話題、頼みごとの種類、よく使う時間帯。「自分は結局、AIに何をさせているのか」が、感覚ではなく一覧で見えます。

面白いのは、見せるだけで終わらないところです。静かな時間(quiet hours)を設定できて、長く使い続けていると休憩をすすめる通知も出せます。どちらも自分で決めた設定を思い出させるリマインダーで、解除できます。ときどき「自分の手でやり続けたいことは何ですか」という問いも投げてきます。道具が「私を使いすぎていませんか」と聞いてくる。今までのソフトには、あまりなかった発想です。

で、あなたの会社はどうすればいい

この機能の値打ちは、使いすぎの警告よりも、棚卸しの手間が消えることにあります。

以前の記事で、AI導入は「AIで何ができるか」より先に「毎日なにに時間を使っているか」を書き出すのが順番だと書きました(→ 「AIで何ができるか」より先に、「毎日なにに時間を使っているか」を書き出す)。あの棚卸しの、AI側の半分を、Reflectが勝手にやってくれます。自分がどんな仕事をAIに頼んできたかの記録は、次に何を頼むかを決める一番の材料です。社内で「AIって実際使ってるの?」という話になったとき、感覚ではなく画面を見せて話せます。

もうひとつ、経営の目線で言えば、これは月々の会費の答え合わせでもあります。使っていないなら解約か使い方の見直し、使い倒しているなら上のプランの検討。判断の材料が、はじめて道具の側から出てくるようになりました。

試してみるなら

ひとつ目。まず開いてみます。パソコンのブラウザかデスクトップアプリでClaudeを開き、左下の自分の名前から設定を開くと、Reflectの項目が増えています。押すだけです。お金はかかりません。ただし後述のとおり、記憶(Memory)の設定がオンになっている必要があります。

ふたつ目。出てきた振り返りを、そのままClaudeに渡して次の一手を聞きます。ダッシュボードに出た「よくある頼みごと」を見ながら、「この中で、社内の他の人にも教えたら喜ばれそうな使い方を3つ選んで、それぞれ一言で頼み方の例文を作ってください」と入力してみてください。自分の使い方が、そのまま社内研修の材料になります。

みっつ目。夜中までAIと仕事をしてしまう自覚がある方は、設定内のquiet hoursで静かな時間を決めておきます。たとえば22時から朝6時まで。解除もできるリマインダーですが、区切りの目印にはなります。

つまずきの先回り

来週あたりに引っかかりそうな点を、先に書いておきます。

まず、設定にReflectが見当たらない場合。発表では、レポートを生成できない場合はMemory(記憶)の設定がオフであることが原因かもしれない、と案内されています。設定のMemoryをオンにしてから探してください。

次に、スマホのアプリでの案内は見当たりません。発表で案内されているのはブラウザ版とデスクトップアプリの設定からです。まずはパソコンで開いてください。

最後に、数字が実感より少なく見えることがあります。シークレットチャット(履歴を残さない会話)は集計に入りませんし、利用時間の表示はこれから追加される予定の項目です。足りない気がしても故障ではありません。

明日できる小ささ

明日の朝、ClaudeのReflectを一度だけ開いて、よく使う時間帯をひとつ確かめてみてください。それが自分の「AIに頼りたくなる時間」です。その時間の前に材料を用意しておくだけで、明日のAIとの一往復が軽くなります。開いて見るだけなら、3分で終わります。

出典(一次情報):Reflect機能の発表(Anthropic公式)