四十ページの公募要領を放り込んで、要点だけ拾わせる。機械の取扱説明書を入れて、若い社員の質問に答えさせる。NotebookLMをそういう置き方で使っている会社は、つくばでも静かに増えました。朝、いつもの画面を開く。左上の名前が、見慣れないものになっている。手が止まります。
Googleは7月16日、NotebookLMの名前をGemini Notebookに変えると発表しました。名前とロゴの付け替えが中心で、道具の中身が別物に入れ替わるわけではありません。発表では「本日、名前を変えます」と書かれています。
変わるのは看板で、中のノートではない
これまで作ったノートは残ります。取引先や社員に渡した共有リンクも、そのまま開きます。notebooklm.google のアドレスは自動で転送されるので、ブラウザのお気に入りを作り直す手間もありません。管理者側の対応が要るかどうかは、発表では触れられていません。
では、あなたの会社で手を入れる場所はどこか。画面ではなく、紙の方です。新人向けの手順書。社内マニュアルの「まずNotebookLMを開く」という一行。パソコンの横に貼った付箋。そこに古い名前が残っていると、来月入った人が画面の中でその名前を探して、三分ほど迷います。困るのは道具ではなく、道具の呼び名を頼りに動く人の方です。
数字を扱う力も足された
今回あわせて、ノートの中で計算をさせる仕組みが加わりました。読み込ませた資料に沿って集計や分析をするために、プログラムを書いて動かす、という機能です。まずGoogle AI Ultraと、それに相当するWorkspaceの契約から使えます。Proの人にも数週間かけて広がる、とされています。無料で使っている方の画面には、当面は名前とロゴの変更だけが届くと考えられます。
中小企業の現場で近いのは、たとえば見積書や作業日報を何枚か入れて、月ごとの傾向を並べさせるような使い方でしょう。ただ、そこまで踏み込むのは上位の契約が前提です。今日のところは「そういう方向にも伸びている」と頭の隅に置いておく程度で困りません。
名前がGeminiに寄ったことは、普段使っているGeminiと同じ棚に並べる方向だと考えられます。資料を読ませたいときに別の入口を探さなくてよくなる、という程度の話として受け取っておけば十分です。
試してみるなら
- ノートを一つ開いて、名前を見る。発表は7月16日付なので、そのあたりから表示が変わります。
- 手持ちのPDFを一つ入れて、「この資料の中から、締切と提出先と必要書類だけを箇条書きで出してください。書かれていないことは推測で足さないでください。」と入力してみてください。最後の一文があると、話を作られにくくなります。
- スマホで使っているなら、App StoreかGoogle Playでアプリを更新しておく。名前が変わったあとは、古い名前で検索しても見つけにくくなります。
- 社内の手順書の「NotebookLM」を「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」に直す。括弧つきで一年ほど残すと、古い解説を見ながら操作する人も迷いません。
つまずきの先回り
- 名前が変わったこと自体は7月16日の発表どおりですが、社内の全員が同じ日に気づくとはかぎりません。「私の画面だけ違う」と言われたら、まず相手に画面を再読み込みしてもらってください。
- 計算の機能はプランで差が出ます。上位の契約から順に届くので、無料の画面をいくら探しても当面は見つかりません。問い合わせる前に、自分の契約がどれかを確かめてください。
- 検索すると古い名前の解説記事が大量に出てきます。画面写真が今と合わないことがあるので、書かれた日付を見てから読むのが安全です。
- 発表は「調べものをより正確に、より強力にするため」の更新だとしていますが、読ませた資料の外のことは答えられませんし、要約が大事な一行を落とすこともあります。期限や金額が絡む書類は、拾わせた要点を原文で一度確かめる。この手順は名前が変わっても同じです(→ 補助金の公募要領、四十ページを読む前にAIで当たりをつける)。
今日やることは一つでかまいません。よく使うノートを開いて、名前が変わっていたら、手順書のその一行だけ直す。それで、来月の誰かが画面の前で迷う三分が消えます。