打ち合わせのメモを、あとで探して回った日はないでしょうか。録音アプリに音声、チャットのAIに要約、共有フォルダに議事録。同じ話が三つの場所に散らばって、どれが最新なのかわからなくなる。道具は増えたのに、その道具のあいだを人が走り回っている。
そのつなぎ目に、GoogleがひとつAIを差し込みました。8月12日、GoogleはGeminiに外のアプリをつなぐ機能を広げると発表しました。会議メモのOtter.aiやGranola、ホームページ作りのWix、それに予約や音楽のサービスがいくつか。使うアプリをあらかじめ選んでおくと、Geminiの中からそのまま呼び出せる、という形です。
ここでうちが持ち帰るのは、アプリの名前そのものではありません。並んだ顔ぶれの多くは海外向けで、今日のツクバの机ですぐ使えるものは、正直そう多くない。大事なのは向きのほうです。これまでAIは、チャットという別の箱の中にいました。こちらが用件をコピーして、箱に貼って、答えをまた元の道具へ戻す。その往復を、AIの側が「いつも使う道具の中まで出てくる」向きへ動き始めた、と考えられます。
だとすると、うちの仕事は派手な乗り換えではありません。手元の道具を見回して、どれがAIとつながる口を持っているか、静かに確かめておくことです。会議のメモ、予定表、いつもの表計算。つなぐ順番を自分で決められるうちに、まず一つだけ試す。それくらいの小ささでちょうどいい。
たとえば、毎週の朝礼で使う予定表を思い浮かべてください。今は担当者が予定を読み上げ、誰かがメモを取り、あとで別のファイルに写している。この往復のどこか一つに、AIとつながる口が空いていれば、写す手間がまるごと消えます。今日つながるかどうかではなく、来年つながったとき慌てないように、往復の地図を先に持っておく。連携の波は、来た順に乗るより、乗る場所を決めてから待つほうが楽です。だから今日は、道具を増やすより、うちの往復を一枚の紙に書き出す日にするのがいい。
試してみるなら
まず、いま使っているAIに、うちの流れを棚卸ししてもらいます。こう入力してみてください。「うちの会議は録音アプリで録って、チャットのAIで要約して、共有フォルダに議事録を置いています。この流れで手作業のコピーが発生している箇所を三つ挙げて、順に一つずつ減らす手順を教えて」。今日から動くのはここです。つなぐ相手を探す前に、つなぎたい往復を先に一つ決める。
英語の会議メモを試すなら、Otter.aiやGranolaは無料の枠から始められます。いきなり本番に入れず、まず自分の独り言を一本だけ録って、要約の出来を確かめる。順番を逆にしないのが安全です。日本語の会議が中心なら、無理に海外の道具へ移らず、今使っている録音や文字起こしのまま、要約だけAIに頼む形で十分です。道具を替えるより、頼み方を一つ覚えるほうが早い。
つまずきの先回り
一つ目。今回並んだアプリの多くは、日本ではまだ使えないか、英語が前提です。予約や生活まわりのサービスは特にそうで、名前が出たからといって、うちの取引先とつながるわけではありません。使えるかどうかは、各サービスの日本語ページで一度確かめてからにしてください。
二つ目。アプリをつなぐとは、その道具に入っている情報にAIが手を伸ばせる、ということでもあります。会議メモや予約には、社外に出したくない名前や日付が混じります。つなぐ前に、そこへ何が入っているかを一度開いて見る。誰の情報が相手側へ渡るのか、わからないままつながない。
三つ目。連携は数週間かけて順に配られる、とされています。今日開いてまだ出ていなくても、故障ではありません。あわてて設定をいじらず、出てきてから触れば十分です。加えて、こうした新しい機能は有料の枠から先に開くことが多く、無料のままでは項目が出ない場合もあります。見当たらないときは、まず自分がどのプランかを確かめる。うちの環境で出ないのは、たいてい壊れているからではなく、まだ順番が来ていないだけです。
明日できるのは、机の上のアプリを三つだけ書き出すこと。そのうち、AIとつなぎたい往復が一番多いのはどれか、丸を一つ付ける。乗り換えは、そのあとでも間に合います。
出典(一次情報):Gemini 連携アプリ拡充の発表(Google公式)