4コマ1 4コマ2 4コマ3 4コマ4

新しいAIを社内に入れた。数か月たって様子を見ると、よく触る人は毎日使い、そうでない人は最初の一回で止まっている。同じ道具なのに、出てくる文章の質も、頼み方も、人によってばらばら。この差は本人のやる気ではなく、たいていは「習う場が無かった」ことから来ています。

OpenAIは9月21日、OpenAI Academyに役割ごとの講座を追加したと発表しました。もともとあった知識労働者向けのApply AI at Workに加えて、開発者向けのBuild with AI、管理職向けのLead AI Adoption、教育者向けのAI for Educators、大学生向けのAI for College Studentsが並びます。講座には確認テストがあり、合格するとOpenAI Academyのバッジがもらえる、という仕組みです。

学ぶ時間まで含めて「導入」と呼ぶ

発表文で目を引くのは、OpenAIが「学びを導入の一部として扱う」と書いている点です。ツールを配って終わりにせず、使い方を身につける時間まで含めて導入と呼ぶ。この考え方は、そのままツクバの中小企業に効くとRASHINは考えます。

少人数の会社ほど、「誰かが独学で覚えて、あとの人はその人頼み」になりやすいからです。Apply AI at Workの講座は、指示をはっきり出す、前提を足す、返ってきた答えを仕事の基準で見直す、という基本から始まると説明されています。派手さはありません。でも、この三つが揃っているかどうかで、AIの返事の質は変わります。そして揃っていない状態は、教われば直る。

学び方そのものにも、まねしやすい形があります。発表文は「AIを学ぶのにAIを使う」という考え方を掲げ、受講者は作り物の練習ではなく、実際の仕事を持ち込んで手を動かす、と書いています。指示を出し、前提を足し、出てきた結果を見直す。その往復を、自分の現場の作業でやってみる。研修のための研修にしないで、目の前の見積書や問い合わせ返信を教材にしてしまえばいい、という発想です。

もう一段だけ踏み込みます。この発表は、何をAIに任せて、どこで人が確認するかを決める練習にも触れています。うまくいったやり方を、繰り返し使える手順に変えていく。任せる範囲を広げつつ、区切りで人が目を通す場所は残す。最後の結果に責任を持つのは人のまま、という線が引かれています。ここを社内で言葉にしておくと、後から入った人にも同じ型を渡せます。道具そのものより、この型のほうが会社に長く残るとRASHINは見ています。

試してみるなら

  • まずOpenAI Academyを開いて、自分の会社に近い講座を一つだけ選んでください。全部やろうとせず、いちばん人数の多い役割から始めると続きます。
  • 講座を待たずに今日できることもあります。ChatGPTに「この作業をあなたに任せたい。うまく頼むために、私が最初に伝えるべき前提を3つ質問して」と入力してみてください。頼み方の下手さを、AI自身に補ってもらう練習になります。
  • 覚えたやり方は、その人の頭の中に置いたままにしない。短い手順書にして共有フォルダに置く。次に入る人が同じ場所から始められます。

つまずきの先回り

  • 講座やAcademyの画面は英語が中心の場合があります。日本語でどこまで使えるかは、自分のアカウントで一度開いて確かめてから、社内に案内してください。
  • バッジは「テストに受かった」印であって、実務で使える保証ではありません。合格を目的にせず、覚えたことを翌週の自分の仕事で一回使う、を宿題にすると身につきます。
  • 講座は「開発者向け」「管理職向け」と役割で分かれています。小さな会社では一人が何役も兼ねます。肩書きで選ばず、今いちばん時間を取られている作業に近いものを選ぶほうが、実利があります。

明日できること

講座に申し込むより、もっと小さくていい。あなたの会社でいちばんAIを触っている人に、頼み方のコツを三つだけ紙に書いてもらう。それを隣の席の人に渡して、次の一件で試してもらう。うまくいった頼み方が一つ会社に残れば、それが最初の教材になります。学ぶ場は、大きな仕組みを待たなくても、そこから始められます。

出典(一次情報):OpenAI Academyの学習パス拡充(OpenAI公式)