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何年も前に業者に作ってもらった会社のサイトが、今もそのまま動いている。ドメインのメール設定を最後に触ったのがいつか、もう誰も覚えていない。プラグインの更新通知は、開かずに消す癖がついている。攻められて困るような規模じゃない、とどこかで思っている。そういう会社は、つくばにも多いはずです。

2026年8月17日、OpenAIのGreg Brockmanが、守る側のための文章を公開しました。要点は一つです。AIは攻撃の一部を自動でこなす道具になりつつあるが、同じAIは守る側の道具にもなる。実際にOpenAIとHugging Faceで起きた出来事では、AIのまとまりが人手を介さず複数の弱点をつなぎ、二社の環境に入り込んだと報告されています。攻撃側の open weight のモデルは、最先端の数か月遅れで出回りつつある、とも書かれています。

RASHINが目を留めたのは、派手な攻撃の話ではありません。Brockmanが自分の個人サイトで試した一段落です。ChatGPT Work(公開版の GPT-5.6 Sol)にサイトのセキュリティを見てもらったところ、約15分で13件の問題が挙がった。多くは単体では悪用しにくいものだった、と本人も断っています。中身は、なりすましメールを防ぐDNS設定が入っていない、安全でないバージョンの jQuery を使っている、Cloudflare が暗号化されていない通信で AWS に転送している、といったものでした。

見てほしいのは13という数ではなく、「本人がうろ覚えだった設定」がそれだけ残っていた、という事実のほうです。単純な静的サイトで、これなのです。

で、あなたの会社はどうすればいい

攻撃側のAIがまもなく古い穴を見つけられるようになる、とBrockmanは書いています。将来の話として読めます。だとすれば、同じことを先に自分の側でやっておく、という順番が素直だと考えられます。あなたの会社のサイトも、たぶん同じくらいの「誰も覚えていない設定」を抱えています。攻撃者に見つけさせる前に、自分でAIに見せてしまう。それが「守る側の時間が開いている」の中身だと、RASHINは受け取りました。

大事なのは、どの道具を選ぶかより、使えるAIを守る側の手元に置くことだ、とBrockman自身が書いています。高価な専用ツールの話ではありません。今そこにあるAIに、自社のサイトを一度見せてみる。まずはそこからです。

試してみるなら

  • 手元のChatGPTにそのまま貼れる文例です。「当社のドメイン(例 example.co.jp)で、なりすましメールを防ぐ SPF と DMARC の設定が入っているか、確認する手順を初心者向けに教えてください」。設定の有無を調べるところまでは、無料の範囲でも聞けます。
  • サイトの部品の古さを気にするなら、「当社のサイトで使っている jQuery など外部の部品が古いバージョンでないか、確認する方法を教えてください」と頼む。ブラウザでサイトを開き、右クリックから「ページのソースを表示」で出てくる内容を貼ると、AIが読み取りやすくなります。
  • 実際にサイトを見に行って設定まで直させる作業は、Brockmanが使った ChatGPT Work のような業務向けの枠での話です。無料枠では「調べて教える」までと考えておくと、当てが外れません。

つまずきの先回り

  • ChatGPT Work や Codex は業務向けの有料の枠での機能です。無料枠のChatGPTで「サイトを見に行って直す」ところまで同じようにいくわけではありません。まずは調べ物の相手として使うのが安全です。
  • AIの点検結果は鵜呑みにしないでください。13件のうち多くは単体では悪用しにくい、とBrockman自身が断っています。何から直すかの優先順位は、人が決める前提です。
  • 本番のサイトやサーバーにAIをつなぐときは、まず読むだけの権限から始める。いきなり直させないことです。Brockmanも、読むだけの点検から始めて少しずつ任せる範囲を広げよ、と書いています。
  • GPT-Daybreak-Blue のような踏み込んだ防御用のモデルは、審査を通った担当者向けとされています。中小企業がすぐ手を出すものではありません。まずは今日、SPF と DMARC が入っているかをAIに聞く。それくらいの小ささで十分です。

出典(一次情報):The Defender's Window(OpenAI公式)