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見積書の雛形はどこに置いたか。去年の似た案件の議事録は、誰のパソコンに入っていたか。会社の知識は、人の頭とフォルダのあちこちに散らばっています。探している十分が、毎日のどこかで静かに消えていく。それを「あの人に聞けば早い」で回してきた会社は多いはずです。

Googleは10月23日、Gemini Notebookを、Geminiアプリの中から呼び出せる「接続アプリ」として使えるようにしたと発表しました(Google Workspace Updates)。Gemini Notebookは、自分で入れた資料をもとに答えを返してくれる道具です。これまでは別の画面で開いていましたが、これからはいつものチャットに `@Gemini Notebook` と打てば、その場でノートを作り、資料を足し、中身に質問できます。Geminiが、頼みごとの内容から自動でノートを使ってくれることもあります。日本でも既定でオンになる予定です(切になるのは欧州経済領域だけ、と発表にあります)。

何ができるようになったのか

発表に挙がっている動きは四つです。ノートを作る・直す・消す。資料を足す・更新する・消す。ノートと資料の一覧を見る。そして、ノートの中身をもとに質問に答える。どれも、メニューをたどらず、チャットに言葉で頼むだけで動きます。「いまのこのやり取りを、あのノートに資料として入れておいて」と言えば、相談した会話そのものが資料になります。

で、あなたの会社は何に使えるか

いちばん効くのは、散らばった知識に「置き場」を一つ決めることだと、RASHINは考えます。たとえば取引先ごとの対応の決まり、よくある問い合わせへの答え、仕入れ先の連絡先と条件。これまでは誰かの記憶か、開くのが面倒な共有フォルダの奥にありました。これを一冊のノートに集めておけば、「返品はどこまで受けていたか」と話し言葉で聞いて、入れた資料の範囲で答えが返ります。

大きく構えなくていいのが、今回のありがたさです。わざわざ別の画面を立ち上げ、使い方を覚えてから、と考えている間に後回しになる。その段差がなくなりました。普段Geminiに話しかけている流れのまま、ノートに貯めて、ノートに聞ける。我々が手を動かす先は、立派な仕組みづくりではなく、まず一冊のノートに三つ資料を入れてみる、くらいの小ささで足ります。

試してみるなら

Geminiアプリのチャットの入力欄で、まず `@` を打ってみてください。接続アプリの候補が出るので、Gemini Notebookを選びます。そのうえで、次のように頼みます。

  • ノートを作る。「`@Gemini Notebook 「取引先対応メモ」というノートを作って`」と入力してみてください。
  • 会話を資料にする。何かを相談して答えが出たあと、「`いまのこのやり取りを、取引先対応メモのノートに資料として追加して`」と続けてみてください。
  • あとで引き出す。「`取引先対応メモのノートに、返品の受け付け条件について何が書いてあった?`」と聞いてみてください。
  • 中身を点検する。「`取引先対応メモのノートに入っている資料の一覧を見せて`」で、何を根拠に答えているかを確かめられます。

まずは無料または手持ちのプランの範囲で、一冊だけ作って試すのがおすすめです。

つまずきの先回り

会社のGoogleアカウント(Workspace)では、管理者がGeminiとGemini Notebookの両方を入にしているグループの人だけが使えます。候補に出てこないときは、個人アカウントで試すか、管理者に設定を確認してください。個人のGoogleアカウントなら既定で使えます。

答えは「そのノートに入れた資料」から返ります。資料を一つも足していない新しいノートに聞いても、材料がないので答えようがありません。質問の前に、まず資料を入れる。順番はここが肝心です。

会話をまるごと資料にできるのは便利ですが、裏を返せば、社外秘のやり取りも入れられてしまいます。共有の場で使うノートには、何を資料にするかを選んで入れてください。

これは新しいアプリを入れる話ではありません。いつものGeminiの中の機能です。要らなければ、設定の中の接続アプリ(Settings > Connected Apps)で切にできます。

明日できる小ささは、こうです。一冊だけノートを作り、いちばん「あの人に聞かないと分からない」知識を三つだけ入れてみる。それで一度、話し言葉で聞いてみる。回るかどうかは、十分で分かります。

出典(一次情報):Google Workspace Updates(Google公式)