塾・教室のAI活用
塾・教室で、AIにできること
塾の先生の時間は、二つに分かれます。生徒の前にいる時間と、生徒のいないところで働く時間。教材の準備、採点、記録、保護者への連絡。AIが塾でできることは、後者を削って前者に足すことです。
このページでは、国内で報告されている実例を出どころ付きで紹介したうえで、その中の「個人塾や数教室の規模でも使える部分」がどこかを翻訳します。
実例①
生徒ごとの出題を、AI教材に任せる
atama+、Qubena、Monoxerといった「AI教材」は、生徒の解答履歴から弱点を見つけて、その生徒に合う問題を出し続ける既製品です。全国の塾や学校への導入が広がっていて、Monoxerを使った学校では、忘却曲線に基づく復習の自動化により、3年ぶりに英検準1級の合格者を出した事例が紹介されています。
出典: neural-opt.com
大事な前提がひとつ。この種のAI教材の精度は蓄積データの量に支えられていて、大手プラットフォームの強みは「すでに膨大な学習データを持っている」ことだと解説されています。つまりここは自作する領域ではなく、既製品を選ぶ領域です。
出典: neural-opt.com
実例②
採点を、AIが受け持つ
採点、特に記述式の採点は、先生の夜を削る仕事です。代々木ゼミナールは理化学研究所と共同で、現代文の記述式問題をAIが自動採点するトレーニング教材を開発したと紹介されています。ベネッセは経済産業省の実証事業で、小テストや単元末テストの素案作成・採点に生成AIを使う検証に参画したと発表されています。
出典: ai-market.jp
実例③
授業記録と保護者向けの報告を、声と下書きで
個別指導の授業記録は、1コマごとに積み重なる小さな負担です。授業後に講師がスマートフォンに向かって2〜3分話すだけで、AIが記録のフォーマットに変換する仕組みにより、1コマあたり10〜15分かかっていた記録入力を2〜3分に短縮した事例が紹介されています。
出典: llc-quest.com
学校側でも同じ動きがあります。さいたま市は全教職員約6,000名に生成AIの活用システムを導入し、1件あたり平均30分かかっていた案内文や計画書の作成が5分に短縮されたと報告されています。教育の現場で「文書の下書きはAI」は、もう珍しい話ではありません。
出典: neural-opt.com
実例④
そして、教室運営の文章仕事。個人塾ほどここから
①のAI教材や②の採点システムは、月額契約と教材の入れ替えが伴います。いま一番手軽なのは、月々数千円の生成AIでできる文章仕事です。
- 季節講習・入塾案内・イベントのお知らせ文の下書き
- 保護者面談の資料と、面談後のフォロー連絡の下書き
- 小テストや類題の「たたき台」づくり(採用判断は先生)
- 問い合わせメールへの返信案
保護者へのメール対応は、言葉の受け取られ方ひとつで問題になりうる神経を使う仕事だからこそ、生成AIに下書きを出させて人が仕上げる価値が大きい、と解説されています。
出典: business-ai.jp
つくばの塾・教室に翻訳すると
つくばは、教育熱の高さでは県内で頭ひとつ抜けた街です。研究者の家庭が多く、教育目的の転入もある。だから大手進学塾から個人塾、プログラミングや英語の教室まで、選択肢が密集しています。
この環境で、①のAI教材は大手がすでに装備しています。個人塾・小さな教室が同じ土俵で装備競争をするのは分が悪い。勝ち筋は逆で、③と④で「生徒のいないところで働く時間」を削り、浮いた時間を大手には真似できない一人ひとりへの目配りに注ぎ直すことです。道具で並ぶのではなく、道具で時間を作って人で勝つ。
もうひとつ、塾ならではの論点があります。生徒がAIで宿題を済ませてしまう問題です。これは禁止で解決する話ではなく、「AIにやらせていい部分と、自分の頭でやらないと力にならない部分」を教室が教える話になりつつあります。先生自身がAIを使えることが、その前提です。
そして、上の事例の数字はそれぞれの教室・学校での報告値です。あなたの教室で同じ結果が出るとは、誰にも約束できません。約束する人がいたら、疑ってください。
よくある質問
Q. 講師が自分ひとりの個人塾でも、AIは関係ありますか。
あります。ひとり塾は準備・採点・連絡が全部自分に来るので、④の文章仕事をAIに渡す効果はむしろ一番大きい層です。月数千円から始められます。
Q. AI教材を入れれば、成績は上がりますか。
上の事例のような報告はありますが、教材は道具です。生徒に合うか、先生の指導と噛み合うかで結果は変わります。導入ありきではなく、教室の詰まりがどこかを先に確かめるのをおすすめします。
Q. 生徒の名前や成績をAIに入れて大丈夫ですか。
そのままでは駄目です。名前を伏せる、業務データを学習に使わない設定にする、といった約束事を先に決める必要があります。初回相談(無料)では、この線引きから一緒に整理できます。
最初の一歩
先週、生徒が帰ったあとの教室で何をしていたか、思い出して書き出してみてください。その中の「文章を書いていた時間」が、AIが最初に効く場所です。
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→ 関連記事: 「AIが苦手なこと」 「時間の棚卸し」
最初の一歩
まずは、お話を聞かせてください。
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