製造業のAI活用
製造業で、AIにできること
製造業は、AIの活用が一番進んでいる業種のひとつです。ただしニュースで見るのは大手工場の話ばかりで、「うちの規模には関係ない」と感じている方が多いはずです。
このページでは、国内外で報告されている実例を出どころ付きで紹介したうえで、その中の「小さな工場でも使える部分」がどこかを翻訳します。
実例①
目視検査を、カメラとAIに任せる
人の目で行ってきた製品の外観検査(傷、欠け、色ムラ)を、カメラとAIで自動化する取り組みは、製造業のAI活用でいちばん実績が積み上がっている領域です。人の目では見逃しやすい微細な欠陥を検出できるようになったと報告されています。
埼玉県では、県の支援事業として中小製造業へのAI外観検査の導入支援が行われ、高い不良品検出精度を達成した事例が紹介されています。都道府県がこの領域を後押しする段階に来ている、ということです。
出典: bit2byte.co.jp
出典: exawizards.com
いまは、OMRONやキーエンスといった計測機器の会社から、検査用のAIが製品として売られています。自社でAIを開発する必要はなく、既製品から入るのが現実的とされています。
出典: yachiyo-sol.com
実例②
機械が壊れる前に、直す
設備の振動や温度、音をセンサーで集め、AIが「故障の予兆」を見つける使い方です。壊れてから直すのではなく、壊れる前に計画的に直す。突発の停止が減り、修繕の段取りが立てやすくなると報告されています。デンソーが工作機械の主軸にこの仕組みを使っている例などが紹介されています。
出典: quants.co.jp
実例③
生産計画と在庫を、予測で組む
過去の販売データや気象データから需要を予測して、作る量と在庫を最適化する使い方です。食品メーカーのニチレイフーズでは、AIによる生産計画で計画立案の時間が10分の1になった事例が、キング醸造では需要予測による在庫の最適化の事例が紹介されています。
出典: bit2byte.co.jp
実例④
そして、書類仕事。小さな工場ほどここから
ここまでの3つは設備投資の話でした。でも、いま生成AIが一番手軽に効くのは、実は現場ではなく事務机の上だとされています。
- 作業手順書や報告書、提案書の下書き
- 過去の保全記録や技術文書の検索の補助
- 新人からの質問に答える社内Q&A
- 図面や仕様書、取扱説明書の要約
こうした文書仕事は、月々数千円の生成AIで今日から始められる領域です。埼玉のオシタニプレス工業所では、IoTとAIの導入で月間6,000枚の紙書類を減らした事例が紹介されています。
出典: yachiyo-sol.com
出典: bit2byte.co.jp
つくばの製造業に翻訳すると
つくば周辺には、研究機関と取引のある部品加工、食品、印刷など、数名から数十名の製造の会社がたくさんあります。その規模で①〜③の設備投資から入るのは、正直、重いです。
順番のおすすめは逆です。④の書類仕事(手順書、日報、見積書、検査記録の清書)で月数千円のAIに慣れて、道具との付き合い方が分かってから、①の既製の検査AIを検討する。設備の話は、そのあとで十分間に合います。
大事なのは、上の事例の数字はそれぞれの会社での報告値だということです。あなたの工場で同じ数字が出るとは、誰にも約束できません。約束する人がいたら、疑ってください。
よくある質問
Q. 数名の町工場でも、AIは関係ありますか。
あります。ただし最初の出番は製造ラインではなく、見積書や手順書などの書類仕事です。そこなら人数や設備に関係なく効きます。
Q. 検査のAIは、いくらぐらいからありますか。
既製品の価格帯は製品と規模で大きく変わります。個別の見積もりの前に、そもそも検査の自動化が今のあなたの工場の一番の詰まりなのかを確かめるのが先です。初回相談(無料)で一緒に順番を整理できます。
Q. 職人の技能をAIに置き換えられますか。
置き換えは考えないほうがいいです。実例が示しているのは、検査や記録のような「疲れる反復」をAIが受け持ち、人は判断と技能に集中する分担です。
最初の一歩
工場の一日の作業を書き出して、「紙とペンとパソコンの前にいる時間」に丸をつけてみてください。丸の合計が、AIが最初に効く場所です。
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→ 関連記事: 「AIが苦手なこと」 「時間の棚卸し」
最初の一歩
まずは、お話を聞かせてください。
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