簡単にいうと
本物そっくりの偽メールや偽サイトで人を釣り、パスワードやカード情報を盗み取る詐欺のことです。魚釣りになぞらえた言葉で、AIの普及により偽の文面がさらに自然になっています。
誤解しがちなこと
「怪しい日本語だから見分けられる」は、もう頼れません。不自然な文面は減り、実在の取引や時事に合わせた自然な文章が届く時代です。見分ける目に頼る守りから、そもそもメールのリンクから入らないという行動の守りへ、軸足を移す必要があります。
詳しく説明すると
フィッシングとは、実在の企業やサービスを装った偽のメール・メッセージ・ウェブサイトで相手を誘導し、パスワードや決済情報などを入力させて盗み取る詐欺の総称です。
古くからある手口ですが、この辞典で扱う理由は、生成AIの登場で状況が一段変わったからです。かつての見分け方の定番だった不自然な日本語や粗い体裁は、道具の進歩でほぼ見られなくなりました。送り手にとって文面作りの手間が消えたということは、量も質も上がるということです。守る側の目利きに頼る前提が、崩れつつあります。
たとえるなら、玄関の覗き穴で制服を確かめる習慣です。制服が精巧に複製できる時代には、覗き穴の目視ではなく、「訪問の約束がなければ開けない」という運用のほうが確かな守りになります。
実務での守り方は、行動を三つ決めておくことに尽きます。第一に、メールやメッセージのリンクからはログインしない。銀行やサービスへは、ブックマークや公式アプリから自分で入る。第二に、急がせる連絡ほど一呼吸置く。「本日中に確認しないと停止します」は、この手口の定番の圧力です。第三に、重要なアカウントの全てに二段階認証を付ける。仮にパスワードが釣られても、最後の扉が残ります。
会社としては、これを個人の注意力の問題にしないことが要点です。誰かが踏むことを前提に、踏んだらすぐ言える空気と、報告先を決めておく。責められると分かっている報告は遅れ、遅れた報告がいちばん高くつきます。
関連語: 「二段階認証」 「情報漏えい」 「ディープフェイク」
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